若者文化と称される形態の、芸術(音楽・文学・絵画など)や、各種文化的な活動は、それまで世間に広く認知されてきた「既存の」文化からは異端と見なされるような、「新しい」価値観を持っている。支持層は13歳から20代程度の青少年で、それ以外の年齢層には、それに属する事物の「良さ」は分かりにくいことが多いとされていた。
しかし近年の日本や米国を中心に、高度な文化性を示すハイカルチャーや、社会の大勢を占める支持者のいるメインカルチャーが、古臭いと見向きされなくなる一方で、価値観の多様化と世代のボーダレス化がすすみ、若者文化とそれ以外の文化の境もはっきりしなくなってきている。この部分には、若い世代が既存カルチャーを否定した後、世代交代で新規の担い手が出る一方、かつての支持者たちが加齢後もその指向を持ち続けている場合もあれば、青少年層の中にもかつてのメインカルチャーやハイカルチャーに興味を示す者、あるいは一度廃れたかつての前衛文化に関心を抱く傾向すら見られる。これには、2000年代に入って注目を集めている「ダサ未来」が挙げられよう。
ある時代の若者文化が次の時代にはハイカルチャーに転換することもありうる。たとえば、歌舞伎の語源は江戸時代の若者文化である「傾ぶく(かぶく)」より発生している。現在でこそ歌舞伎は日本のハイカルチャーの一つではあるが、当時は「悪趣味なほどに絢爛豪華を演出する前衛芸術」の一つだった。
